プント・リブレの上演
歌手が掛け合いになる、典型的なコントロベルシアのプント・リブレとなった。コントロベルシアとはスペイン語で論議を意味し、歌合戦のようになる。日常の出来事を風刺して歌って聴く人たちを笑わせ、会場が盛り上がってきた。私はずっと最前列にいたが、後ろを振り返ると50人ほどの聴衆が集まっている。そのほとんどは年配の人たちだ。
聴衆のほとんどは年配の白人ばかり
一般的にキューバ音楽は、いかに聴衆を踊って楽しませるかで、その楽団の人気度が問われる。しかしプント・リブレはダンス音楽ではない。年齢的に踊るのが厳しい年配の人たちが、このような音楽に親しんでいるのであろう。公衆の場での楽団上演なので、もちろん入場は無料だ。あまり外国人には知られていない音楽だが、プントはこうして年配の人たちの娯楽となっている。シエンフエゴスのこの公園で、プントの上演と聴衆の反応ぶりを見て、キューバ音楽の奥深さを垣間見たような気がした。