町からミニバスで未舗装道を走ること30分。同行したツアー客とともに,ミニバスを降りて歩いてみた。岩肌には自然にできたくぼみがあり,名前のごとく月面を連想させる。地表は日中容赦なく照りつけた太陽の熱を溜め込んでいるかのように。時刻は夕方近くで気温が下がりつつあったが,余熱が靴底をジワジワと伝わってくる。
再びミニバスに乗って向かった傾斜地には砂丘が広がっていた。面積はそれほど広くないものの,そこはサハラ砂漠を想像させるような砂丘だ。強風が時折吹き荒れて,激しく砂ぼこりが舞い上がり,我々ツアー客を悩ませる。
自然の厳しさに触れた砂漠ツアーだったが,夕日に照らされた砂の文様は,人間では作り出すことのできない造詣美だと感じた。
