2018年05月03日

チワワ砂漠(下)

 ポサ・アスールの周辺に点在する泉の湧水は,川となり東に流れていく。水中撮影用のカメラを持ち,泳ぐことができるメスキータ川に入ってみた。固有種のコアウイラハコガメ,多様な水草などが確認できたが,ここでの第一の目的はストロマトライトを観察することだ。サンゴ礁とよく似ているストロマトライトは藍藻類の死骸などから作られる層状の岩石で,ここクアトロ・シエネガスや,オーストラリアのシャーク湾で見られる。淡水で確認されているのは,世界中でここだけというから,見逃すわけにはいかない。
 しばらくすると先に川に入っていたツアーのガイドが,10センチ大の岩のようなものを取り上げた。それがストロマトライトだと言うので,水中でよく観察することにする。見た目はサンゴ礁そのものだ。表面に光が反射して随所で黄色や青などの色を放っている。生きた化石と言われるのは,1年かけて1ミリほどの成長で表面の藍藻類がゆっくり積み重なって大きくなるからだ。つまり1メートルのストロマトライトは,およそ1000年かけて形成されたと考えられる。
 この自然保護区では,ストロマトライト以外にも固有種の魚などが生息している。なぜならこのように外部とは隔離した砂漠の中では,独自の生態系が維持されているからだ。太古の時代から存在するストロマトライトを感慨深く眺めながら自然の奥深さを改めて実感。世界でこの地にしかない水中の光景を脳裏に焼きつけた。

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posted by sakaguchitoru at 11:25| Comment(0) | メキシコ
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