2021年06月05日

子どもたちに受け継がれるプント

地方都市で市街を歩いていたところ、地元住民向けの無料ライブが音楽会館で行われていた。ソンが中心の演奏だったが、プントも奏でられる。楽団の1つに、中高学生の楽団があった。10代半ばくらいの女の子がラウー(リュート)を弾いていて、やや未熟ながらも人前で聴かせるには充分な演奏ぶりだった。

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写真左のラウーを弾く女の子はなかなかの腕前

別の日、歴史自然博物館から音楽が聴こえてきた。従業員に尋ねると、別の入口から中庭へ案内された。そこで子どもたちが、プント・リブレの練習をしていたのだ。

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未就学児の男の子がプントを詠み歌う

ラウー奏者がメロディーを弾いて、子どもたちを相手にプントを歌わせている。歌詞や譜面などはなく、この子たちはデシマ(十行詩)を暗記して詠み歌っているのだ。5歳くらいから10歳ほどの子供が約5人歌い、その友達や保護者も含めて20人くらいが輪になっていた。この土地柄と音楽からして、集まっている親子たちは白人ばかり。プントは年配の人が親しむ農民音楽だと思っていたが、こうして小さい頃から触れる機会があるので伝承されているのだと体感した。

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サパテオを踊る子どもたち

別の都市で、たまたま文化会館で子どもたちの舞踊上演をやっていた。そこで見た演目の一つがサパテオ。隊形を組んで振り付けをし、プント・フィーホの音楽に合わせて踊っていた。
posted by sakaguchitoru at 17:34| Comment(0) | キューバ

2021年05月30日

プントで使用する楽器

キューバの農民音楽(ムシカ・カンペシーナ)のプントでは下記のような楽器が使用される

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ラウー:いわゆるリュート。復弦6コース、全12弦から成る旋律が美しい弦楽器。地中海東部が起源と考えられ、スペイン人がキューバに持ち込んだ。プントには欠かせない代表的な楽器である

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トレス:ギターと比べてやや小ぶりなキューバ独特の楽器で、復弦3コース、全6弦から成る。キューバ音楽全般的に使用される弦楽器。同時にギターも伴奏される

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ベース:近年はエレキベースで代用されることもあるが、もともと使用されていたコントラバスで演奏するのが一般的

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クラーベス:木製の棒状になっているもので、2本を打ち鳴らして共鳴させる。発祥のスペインでは存在しなかったが、メリハリを付けるためにキューバで使用されるようになったと考えられる

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ボンゴ:これもプント発祥のスペインでは存在せず、よりリズミカルにさせるために使用されるようになった。コンガなど他の打楽器を叩くこともある

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これは私が初めてプントを聴いた時の写真。ムシカ・カンペシーナが盛んな中部の主要都市カマグエイで2000年2月に聴いた。この時はモノクロフィルムで撮影

posted by sakaguchitoru at 16:15| Comment(3) | TrackBack(0) | キューバ

2021年05月29日

シエンフエゴスで聴いたプント

キューバ中部の都市シエンフエゴスでは、中心街のビジュエンダス公園で、毎週日曜の10時頃からムシカ・カンペシーナと呼ばれる農民音楽が上演される。楽団の伴奏部分と、演奏が外れて歌手がデシマという十行詩を詠み歌う部分に分かれる、プント・リブレという形式の音楽だ。
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プント・リブレの上演

歌手が掛け合いになる、典型的なコントロベルシアのプント・リブレとなった。コントロベルシアとはスペイン語で論議を意味し、歌合戦のようになる。日常の出来事を風刺して歌って聴く人たちを笑わせ、会場が盛り上がってきた。私はずっと最前列にいたが、後ろを振り返ると50人ほどの聴衆が集まっている。そのほとんどは年配の人たちだ。
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聴衆のほとんどは年配の白人ばかり

一般的にキューバ音楽は、いかに聴衆を踊って楽しませるかで、その楽団の人気度が問われる。しかしプント・リブレはダンス音楽ではない。年齢的に踊るのが厳しい年配の人たちが、このような音楽に親しんでいるのであろう。公衆の場での楽団上演なので、もちろん入場は無料だ。あまり外国人には知られていない音楽だが、プントはこうして年配の人たちの娯楽となっている。シエンフエゴスのこの公園で、プントの上演と聴衆の反応ぶりを見て、キューバ音楽の奥深さを垣間見たような気がした。
posted by sakaguchitoru at 17:30| Comment(0) | キューバ