2017年01月07日

バルデス半島(下)

 プエルト・マドリンから約180キロ南に、プンタ・トンボ保護区がある。ここは南米で最大規模を誇るマゼランペンギンの営巣地だ。この一帯にやってくるマゼランペンギンは数万羽とも言われ、10〜3月は海岸が埋め尽くされる。
 私はミニバスによるツアーで、プンタ・トンボ保護区に向かう。保護区の敷地内を入ると、その道沿いには至る所にペンギンがいた。遊歩道のある海岸まで1キロほどの道を、ミニバスは徐行していった。
 車から降りて、設けられている遊歩道を進んでいく。地面を掘った穴や木の茂みに巣があり、生後1〜2か月のヒナが育っていた。ペンギンの巣が踏まれないように、立ち入り区域が限られている。それでも手が届く近さで見られ、遊歩道になっている部分もペンギンが横切る。
 海岸を見下ろす岩場に行くと、両側が数百メートル先まで砂浜がマゼランペンギンで埋め尽くされていた。ざっと見ただけでも、数千羽はいるだろうか。この周辺はペンギンの餌のイワシ類が多く、浅瀬で泳いで捕食している様子も見える。海から上がってきたペンギンたちが、体を左右に揺らしながら短い足でよちよち歩きをしており、その姿が何ともかわいらしい。
 ペンギンは毎年9〜10月に、この海岸に集まってくる。巣を作って産卵し、ヒナを育てる。そしてヒナが自分で餌がとれるまで成長し、3〜4月頃に海へ戻っていく。次の繁殖期まで半年間は、ほとんど陸に上がらずにブラジル沖まで北上して回遊するそうだ。

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2017年01月06日

バルデス半島(中)

 ツアーによるバルデス半島巡りは、私にとって下見のような意味合いとなった。翌々日にレンタカー店で小型車を借りて、再びバルデス半島を周遊することにした。道はわかりすいし、動物が見られるポイントも把握した。1人で自由に回ることにより、好きな所で時間をかけて写真撮影に専念することができる。
 プエルト・マドリンからバルデス半島の主要な見どころを巡って戻ってくると、走行距離は約400キロ。初めての左ハンドルに慣れないマニュアル車は少し不安な出発だった。
 安全運転に努め、動物を見つけては止まって写真を撮るということを繰り返す。この日は天気が良く、道中ではアルマジロ、テンジクネズミ科のマーラ、ラクダ科のグアナコなどの哺乳類が見られた。また南米固有のダチョウであるダーウィンレアもいた。
 バルデス半島は内陸部は牧草地などもあるが大半は荒野だ。一方でこの周辺海域はプランクトンや魚が多く、アシカ科のオタリア、ゾウアザラシなどの海棲哺乳類が繁殖する。浜辺では海から上がってきたこれらの動物が休んでいる様子が観察できて、カモメやウ、ミヤコドリなどの野鳥も飛び交っている。このように海岸沿いが観光の見どころとなっており、浜辺によって生息する動物が棲み分けられているようだ。
 さらに夏期にはマゼランペンギンが産卵、子育てにやってくる。バルデス半島の海岸でも少数ながら見られたが、その翌日に行ったプンタ・トンボ保護区は、膨大な数のマゼランペンギンが群れていた。

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2017年01月05日

バルデス半島(上)

 首都ブエノス・アイレスからバスで20時間以上かかって、プエルト・マドリンという大西洋に面した港町に到着。ここはパタゴニアの北東部にあたり、動物観察の地で人気のあるバルデス半島への拠点の町だ。
 ブエノス・アイレスからの風景は牧草地、小麦や綿花の大農園が続いていたが、南下するにつれて荒涼な景色と変わってきた。プエルト・マドリン周辺は雨量が少ないせいか、草が疎らに生える荒野だ。
 私は外国人客が集う宿に部屋を確保し、翌日のバルデス半島日帰りツアーを予約した。プエルト・マドリンは乾燥しているので、気温が30度近くなる夏期の12月でも爽やかに過ごせる。青空が広がって晴れ渡り、翌日のツアーが楽しみになってきた。
 ところが翌日は朝から雲行きが怪しく、時おり冷たい雨が降った。日中の気温も15度前後と肌寒い。バルデス半島は荒野が広がっている乾燥地帯で、年間降水量は400ミリ程度。なのに運悪く天候が優れず、分厚い雲に1日中覆われて、あまり良い写真が撮れなかった。私は日を改めてバルデス半島を巡ることにした。

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