プエルト・マドリンから約180キロ南に、プンタ・トンボ保護区がある。ここは南米で最大規模を誇るマゼランペンギンの営巣地だ。この一帯にやってくるマゼランペンギンは数万羽とも言われ、10〜3月は海岸が埋め尽くされる。
私はミニバスによるツアーで、プンタ・トンボ保護区に向かう。保護区の敷地内を入ると、その道沿いには至る所にペンギンがいた。遊歩道のある海岸まで1キロほどの道を、ミニバスは徐行していった。
車から降りて、設けられている遊歩道を進んでいく。地面を掘った穴や木の茂みに巣があり、生後1〜2か月のヒナが育っていた。ペンギンの巣が踏まれないように、立ち入り区域が限られている。それでも手が届く近さで見られ、遊歩道になっている部分もペンギンが横切る。
海岸を見下ろす岩場に行くと、両側が数百メートル先まで砂浜がマゼランペンギンで埋め尽くされていた。ざっと見ただけでも、数千羽はいるだろうか。この周辺はペンギンの餌のイワシ類が多く、浅瀬で泳いで捕食している様子も見える。海から上がってきたペンギンたちが、体を左右に揺らしながら短い足でよちよち歩きをしており、その姿が何ともかわいらしい。
ペンギンは毎年9〜10月に、この海岸に集まってくる。巣を作って産卵し、ヒナを育てる。そしてヒナが自分で餌がとれるまで成長し、3〜4月頃に海へ戻っていく。次の繁殖期まで半年間は、ほとんど陸に上がらずにブラジル沖まで北上して回遊するそうだ。
posted by sakaguchitoru at 08:24|
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