2017年01月06日

バルデス半島(中)

 ツアーによるバルデス半島巡りは、私にとって下見のような意味合いとなった。翌々日にレンタカー店で小型車を借りて、再びバルデス半島を周遊することにした。道はわかりすいし、動物が見られるポイントも把握した。1人で自由に回ることにより、好きな所で時間をかけて写真撮影に専念することができる。
 プエルト・マドリンからバルデス半島の主要な見どころを巡って戻ってくると、走行距離は約400キロ。初めての左ハンドルに慣れないマニュアル車は少し不安な出発だった。
 安全運転に努め、動物を見つけては止まって写真を撮るということを繰り返す。この日は天気が良く、道中ではアルマジロ、テンジクネズミ科のマーラ、ラクダ科のグアナコなどの哺乳類が見られた。また南米固有のダチョウであるダーウィンレアもいた。
 バルデス半島は内陸部は牧草地などもあるが大半は荒野だ。一方でこの周辺海域はプランクトンや魚が多く、アシカ科のオタリア、ゾウアザラシなどの海棲哺乳類が繁殖する。浜辺では海から上がってきたこれらの動物が休んでいる様子が観察できて、カモメやウ、ミヤコドリなどの野鳥も飛び交っている。このように海岸沿いが観光の見どころとなっており、浜辺によって生息する動物が棲み分けられているようだ。
 さらに夏期にはマゼランペンギンが産卵、子育てにやってくる。バルデス半島の海岸でも少数ながら見られたが、その翌日に行ったプンタ・トンボ保護区は、膨大な数のマゼランペンギンが群れていた。

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2017年01月05日

バルデス半島(上)

 首都ブエノス・アイレスからバスで20時間以上かかって、プエルト・マドリンという大西洋に面した港町に到着。ここはパタゴニアの北東部にあたり、動物観察の地で人気のあるバルデス半島への拠点の町だ。
 ブエノス・アイレスからの風景は牧草地、小麦や綿花の大農園が続いていたが、南下するにつれて荒涼な景色と変わってきた。プエルト・マドリン周辺は雨量が少ないせいか、草が疎らに生える荒野だ。
 私は外国人客が集う宿に部屋を確保し、翌日のバルデス半島日帰りツアーを予約した。プエルト・マドリンは乾燥しているので、気温が30度近くなる夏期の12月でも爽やかに過ごせる。青空が広がって晴れ渡り、翌日のツアーが楽しみになってきた。
 ところが翌日は朝から雲行きが怪しく、時おり冷たい雨が降った。日中の気温も15度前後と肌寒い。バルデス半島は荒野が広がっている乾燥地帯で、年間降水量は400ミリ程度。なのに運悪く天候が優れず、分厚い雲に1日中覆われて、あまり良い写真が撮れなかった。私は日を改めてバルデス半島を巡ることにした。

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2017年01月04日

ペリト・モレノ氷河(下)

 ペリト・モレノ氷河をはじめとした巨大な氷河は、アルゼンチンのロス・グラシアレス国立公園に点在している。グラシアレスとはスペイン語で氷河を意味し、チリ国境に近いアンデスの山麓に広がっている。
 アルゼンチンのサンタ・クルス州にあるエル・カラファテは、氷河観光の拠点となる小さな町だ。通常はここから日帰りツアーで氷河を観光するのが一般的。ペリト・モレノ氷河はエル・カラファテからツアーバスに乗って1時間半ほどで行ける。またその周囲をミニトレッキングで巡るツアー、氷河の上を歩くツアーもあり、いろいろな角度から氷河を眺められる。
 私はこれまで3回、ペリト・モレノ氷河に行ったことがある。初めて行った時は初冬の4月で、吹雪に見舞われた。その数日後にも再び訪れたが、分厚い雲に覆われて薄暗く、あまり良い写真は撮れなかった。その年の12月に渡航した3回目は晴天に恵まれ、青々とした美しい氷河を撮影することができた。
 ロス・グラシアレス国立公園にはほかにも、アルヘンティーノ湖を遊覧船で北上してウプサラ氷河、スペガティーニ氷河などを巡るツアーがある。できれば3日くらいエル・カラファテに滞在して、いろいろな氷河を観光するといいだろう。

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