道中,塩原の畔で塩を採掘しているところがあった。ミネラル分も多いウユニ塩原の塩は,そのまま食用に使える。口に含んでみると,どこか甘みのある濃厚な味だ。周囲の村では塩の採掘のほか,アルパカやリャマを飼ったり,ジャガイモを栽培したりしている。
ツアー車はウユニ塩原を抜けた後,未舗装道を進んでいく。運転手に聞いてみると,湖沼地帯がある場所は標高4200メートル付近だと言う。ボリビアの高地に1週間ほどいて慣れてきたものの,さすがに4000メートルを越えると酸素が薄いため,息苦しさを感じてくる。
たどり着いた湖には,数十羽のフラミンゴがいた。薄いピンク色をしたきれいな鳥たちは,オルーロ発の列車から見たものと同じ,コバシフラミンゴである。5メートルほどの近さまでフラミンゴに寄ることができたので,夢中になってシャッターを押した。
湖は塩分の濃度が高いため魚類は生息しておらず,プランクトンが繁殖する。コバシフラミンゴはこのプランクトンを餌にしている。嘴に砂などを濾し分ける機能があるので,プランクトンを吸収できるそうだ。
ボリビアの高原地帯を縦断して,世界最大のウユニ塩原へ,そしてフラミンゴが間近で観察できた今回の旅。高地で頭痛や息苦しさに悩まされたが,感動的な光景が次々と見られた充実した内容だった。
