2017年01月16日

ウユニ塩原(下)

 別の日に,ウユニ塩原を越えて,湖のフラミンゴを見に行くことにした。同じく四輪駆動車によるツアーで,運転手がガイドを兼ねている。
 道中,塩原の畔で塩を採掘しているところがあった。ミネラル分も多いウユニ塩原の塩は,そのまま食用に使える。口に含んでみると,どこか甘みのある濃厚な味だ。周囲の村では塩の採掘のほか,アルパカやリャマを飼ったり,ジャガイモを栽培したりしている。
 ツアー車はウユニ塩原を抜けた後,未舗装道を進んでいく。運転手に聞いてみると,湖沼地帯がある場所は標高4200メートル付近だと言う。ボリビアの高地に1週間ほどいて慣れてきたものの,さすがに4000メートルを越えると酸素が薄いため,息苦しさを感じてくる。
 たどり着いた湖には,数十羽のフラミンゴがいた。薄いピンク色をしたきれいな鳥たちは,オルーロ発の列車から見たものと同じ,コバシフラミンゴである。5メートルほどの近さまでフラミンゴに寄ることができたので,夢中になってシャッターを押した。
 湖は塩分の濃度が高いため魚類は生息しておらず,プランクトンが繁殖する。コバシフラミンゴはこのプランクトンを餌にしている。嘴に砂などを濾し分ける機能があるので,プランクトンを吸収できるそうだ。
 ボリビアの高原地帯を縦断して,世界最大のウユニ塩原へ,そしてフラミンゴが間近で観察できた今回の旅。高地で頭痛や息苦しさに悩まされたが,感動的な光景が次々と見られた充実した内容だった。

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2017年01月15日

ウユニ塩原(中)

 翌朝,ホテルに日本製の四輪駆動車が迎えに来た。ウユニ塩原へのツアーは未舗装の道を行くので,ボリビアで人気が高い中古の四輪駆動車が使われている。ウユニの町を出て30分ほどで,塩原が見えてきた。
 ツアー車がウユニ塩原に入ると,まるで舗装道を走っているような感じがしたのは,塩原は平坦で表面が硬いからであろう。そして周囲はどこまでも白い塩原が広がる。
 しばらく走った後,車を停めてもらった。降りて見渡す景色は,雪原のような一面の銀世界。標高3700メートルほどの地に広がる,360度どこを見ても真っ白で平らなウユニ塩原。サングラスなしでは目が痛くなるほど光り輝く光景は,今まで見たことのないものでとても感動的であった。
 ウユニ塩原の総面積は,日本の四国の半分ほどあり,東西および南北100キロ以上に渡って広がっている。太古の時代に地殻変動でアンデス山脈が隆起してできた際,大量の海水が閉じ込められ,長い年月を経て干上がったと考えられる。南米には同じような塩原があるが,ウユニが世界最大面積の塩原だ。
 車で1時間ほど走ると,塩原の中心付近に島のように浮き上がったインカワシという小さな丘にたどり着く。ツアーはここで自由行動となったので,この丘を登ってみた。柱状のサボテンが林立している。猛禽類のノスリ,黄色い小鳥ヤマシトドなどの野鳥が観察できた。
 インカワシの丘上からは,少し不思議な光景が眺められる。手前にサボテンが生えている背後に塩原の銀世界が広がっている。そんな奇景を見ながら,地球上にこのような場所が存在するのかと感慨にふけった。

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2017年01月14日

ウユニ塩原(上)

 ボリビアの首都ラ・パスからバスで3時間ほど走ると,鉱山の街オルーロに到着する。ここは40万人前後の人口を擁する標高約3700メートルの都市だ。この街から世界最大の塩原が広がるウユニへ鉄道で向かう。幹線道路が未舗装なため,列車を利用したほうが快適に移動できる。
 ボリビアの国土の約3割は,標高3500〜4000メートルのアルティプラノと呼ばれるアンデス高原が続く。首都ラ・パス,ポトシやオルーロなどの都市,そしてウユニ塩原はこの高原地帯にある。列車は昼過ぎにオルーロ駅を出発。牽引するディーゼル機関車は,酸素の薄い高地でも走れるように空気濃度を高める機能の付いた日本製の車両だ。
 オルーロを出て1時間くらいすると,ウルウル湖が見えてくる。湿地帯に盛り土をしたところに線路が敷かれている。車窓の両側には水辺が広がり,上空を羽ばたく野鳥や,浅瀬で餌をついばむフラミンゴが観察できた。
 ウルウル湖を過ぎると,次は平坦な草原が広がっている。村や集落が点在し,アルパカなどの家畜を連れている先住民の姿も見える。地平線も眺められるほどの広大な草原地帯。富士山の山頂ほどの高さがある平原がどこまでも続いているのだから驚きだ。
 オルーロから約7時間の旅でウユニに到着。私は駅近くのホテルに部屋を確保する。そして旅行会社に行き,さっそく翌日の塩原ツアーを予約した。

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