2017年01月19日

ガラパゴス諸島(下)

 私が最も気に入ったヘノベサ島。この島にはマスクカツオドリ、アカアシカツオドリ、アカメカモメなどが生息している。5〜6月は雨期と乾期の過渡期で、野鳥の求愛行為や産卵などが見られる。ヘノベサ島で目を引いたのがグンカンドリ。地上にいる雄鳥は喉元の赤い袋を膨らまして、大きく羽を広げている。これは上空を飛んでいる雌鳥に対する求愛行為だ。私は3メートルほどの至近距離で雌鳥を観察して、夢中になって写真を撮った。
 別の日にセイモア島では、アオアシカツオドリの生態が見られた。水かきが青いのが特徴で、何組ものつがいを観察する。嘴を突き合ったり、雄が羽を広げたりと求愛行為をしている。別の場所には営巣地があり、雌鳥が砂地に座り込んで卵を暖めている姿もあった。
 島々では動物が手の届くほどの近さで観察できるが、触れたり餌を与えたりすることは禁止されている。そして自然保護区内の観光は、自然保護員がガイド同伴しないと行けない。クルーズ船には彼らが乗船しており、観光客を各島へと案内する。
 徹底された保護活動によって動物の生態が保護され、旅行者たちはマナーを厳守しつつ動物が見られる。ガラパゴス諸島は自然愛好家を惹き付け、動物観察の聖地として世界中の人々の関心を呼んでいる。

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2017年01月18日

ガラパゴス諸島(中)

 野生動物が生息するガラパゴス諸島では、ゾウガメやイグアナといった爬虫類が観察できる。当地の名称はスペイン語でゾウガメを意味するガラパゴ(Galápago)が語源だ。
 サンタ・クルス島はガラパゴス諸島で最も観光化された島で、ホテルやレストランが集まっている。私は海岸部から30分ほど車に乗って山道を走っていく。そして沼辺の保護区へ行くと、数頭の巨大なゾウガメが見られた。体長2メートル近いものもいて、ゆっくりとした動きで草を食べている。野性味あふれるガラパゴスゾウガメは、太古から存在する姿のようだ。
 ガラパゴス諸島にはサボテンを食べるリクイグアナと、海に潜って藻を食べるウミイグアナが生息している。私は3泊4日のクルーズ船で、合わせて6つの島を巡った。リクイグアナが見られたのはセイモア島。この島には餌となるサボテンが多く、リクイグアナがゆっくりとした動きで地表を這っていた。
 サンティアゴ島ではウミイグアナが群れていた。そして同じ海岸にはガラパゴスアシカが砂浜に寝そべっていて、ウミイグアナと共生している。イグアナやアシカを捕食する動物はいないので近付いても逃げないし、人を襲うこともないので、間近でじっくりと観察できる。

ウミイグアナ.jpg
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2017年01月17日

ガラパゴス諸島(上)

 ガラパゴス諸島は赤道直下にあり、南米大陸の海岸から約1000キロの太平洋上に浮かぶ。エクアドルの領内にあるこの島々は、20前後の主要な島と無数の岩礁で形成されている。エクアドル(Ecuador)とはスペイン語で赤道を意味する。
 火山活動によって海底が隆起して、ガラパゴスの島々が誕生したと考えられる。全般的に乾燥しており、赤道上にあるものの海流や貿易風の影響で水温は20度程度。気温も25〜30度ほどでそれほど暑くはない。
 1835年に博物学者ダーウィンが訪れてこの地でスズメ目の野鳥フィンチを観察し、後に彼は『進化論』を唱える。しかし19世紀は捕鯨船の中継基地となって入植も始まり、食料としてゾウガメが乱獲されるなど動物たちの生態が脅かされた。
 現在ガラパゴスでは国を挙げて、自然保護と観光誘致の両立を目指した活動が行われている。島や周辺海域の大半が自然保護区に指定され、自然遺産としては初めて1979年にユネスコの世界遺産に登録された。

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