2017年02月15日

コロンビアの民俗舞踊ダンサーとの出会い(下)

 私は3日ほど、ボートに乗ってアマゾン川巡りをする。支流沿いの民家に泊まり、密林の中をトレッキングして動植物を観察し、アマゾンの大自然を満喫。レティシアに戻ってから、パレードを見学し、音楽演奏や踊りを見たりと祭りを楽しんだ。
 2回目にマルセラが出演した時は、会場がとても盛り上がる。彼女の舞踊団が上演する前に、マルセラの出身地と同じメタ県からのグループが出演。こちらは楽器演奏や歌が主体で、1組のペアがホローポの踊りを披露したのだが、体のキレが今一つ。その後にマルセラのグループが出演し、別の地方の舞踊が上演された後、ホローポが再び踊られた。
 マルセラによる上演は録音の曲だったので、音楽の臨場感には欠けた。しかし踊りの内容は、テンポの速い曲に合わせての小刻みで巧みなステップ、芯のぶれない高速回転のターン、相手男性の飛び上がるような大胆なステップと、その前に出演したダンサーに格の違いを見せつけた。踊っている間は笑顔を絶やさず、さすがビチャダ県の女王、その貫禄も改めて感じさせてくれた。
 公演が終わった後、マルセラの舞踊団の人たちに誘われ、深夜に別の会場で行われたライブを見に行く。そのステージには総勢十数人の楽団が登場し、ランチェラ、クンビアなどが演奏。そして曲に合わせて観衆は踊り出し、私もマルセラに「一緒に踊ろうよ」と誘われ、彼女と組んで何曲か踊る。この夜はレティシア滞在の最終日で、楽しく充実した時間を過ごすことができた。

舞踊団のみんな.JPG
posted by sakaguchitoru at 00:00| Comment(0) | コロンビア

2017年02月14日

コロンビアの民俗舞踊ダンサーとの出会い(中)

 私はその日ボゴタから空路で、アマゾン地方の国境の街レティシアに行く予定だった。しかし航空会社の手違いで、飛行機に乗れないというトラブルに。一方のマルセラは、早朝からキャンセル待ちをしていたようだが、満席で乗れずじまい。何とか私は翌日の便が手配できて、マルセラも同じ飛行機でレティシアに行くことができた。
 レティシアは首都ボゴタから飛行機で約3時間、南東におよそ1000キロほどの所にあり、ブラジル、ペルーとの国境地帯に位置する。ブラジル側の街タバチンガと隣接しており、バスで10分ほどの所にあり、入国審査なしに自由に行き来できるのだ。またペルー側の村や集落へは、アマゾン川をボートで渡って20分ほどで行くことが可能。
 7月中旬にレティシアでは祭りが開催され、私はこれに合わせて現地入り。3つの国から楽団や舞踊団、コメディアンなどが集まり、マルセラが活動している舞踊団も招待されていた。そして私は滞在中、レティシア中心部にある公園内の野外劇場で、民俗舞踊をじっくり鑑賞する。
 私が着いたちょうどその日、レティシアで祭りが始まった。夜には野外劇場で様々な出し物が上演。前半は地元の子供たちによる、音楽演奏やショーダンスが上演され、それは退屈な学芸会のような内容だった。しかし後半はペルーのアンデス高原の踊り、ブラジルのカーニバルの踊り、アフリカ色強いコロンビア北部の民俗舞踊、そしてマルセラらによるホローポの踊りが披露され、この祭りのためにやってきた舞踊団による、レベルの高い上演が行われた。

ホローポ.JPG
posted by sakaguchitoru at 00:00| Comment(0) | コロンビア

2017年02月13日

コロンビアの民俗舞踊ダンサーとの出会い(上)

 首都ボゴタの空港で、バスを降りた時のこと。バス停前のベンチに、見覚えのある若い女性が座っていた。その女性はビチャダ県代表チームの女王だった人。
 私はその2週間前、イバゲという小さな都市で民俗舞踊の祭典を取材していた。各地から舞踊団が集まって上演し、県代表の女王たちが踊りや歌、楽器演奏、水着コンテストなどで競う大会だった。170センチを超える長身でスタイルの良い女王が多いなか、ビチャダ県の代表は160センチ程度。水着はあまり似合わないけれど、その表情からは性格が良さが感じられた。
 さて、ベンチに座っていたその女性に声をかけたところ、「あなたはイバゲにいた写真家ね」と彼女も私のことを覚えていてくれた。彼女の名前はマルセラ。ボゴタの大学に通い、週末はレストランで民俗舞踊のショーをやっていて、祭りやイベントでも踊っているセミプロのダンサーだ。
 マルセラはメタ県の中心都市ビジャビセンシオの出身で、ビチャダ県には幼少の頃に1年しか住んでいないとのこと。一緒に参加したビチャダ県代表の舞踊団も、マルセラと同様ビジャビセンシオ出身のボゴタの学生が中心で、どうやらこれは政治的な事情があるように感じた。
 ビチャダ県はメタ県と同様、隣国ベネズエラに続くオリノコ平原に位置している。この一帯ではホローポという音楽舞踊が広く親しまれている。ホローポの音楽はアルパやクアトロなど弦楽器を使用し、マラカスを振って速いテンポで演奏。男女が組みになり、小刻みなステップを踏んで、女性はスカートがめくれ上がるほど速い回転でクルクルと踊るのが特徴だ。

ビチャーダ女王.JPG
posted by sakaguchitoru at 00:00| Comment(0) | コロンビア