動物を観察するのは、暑くなる前の早朝が最適だ。徒歩で密林に入ると、無数の鳥や虫の鳴き声が聞こえてきた。水辺では小魚を捕らえるヤマセミが飛び交っている。木の上でガサガサと音がしたので、ふと樹上を見てみると、口元が黒い小さなサルがいた。後で調べたところ、これはアマゾン全域に生息するコモンリスザルだとわかった。
さらに密林の中を歩いていくと明るく開けた場所があり、沼地になっていた。そこにはオオオニバスの葉がたくさん浮いている。大きいものでは直径2メートルくらいのものもあり、レンカクという野鳥が葉に乗って虫を食べている様子も観察できた。
その日の午後は、ピラニア釣りに挑戦した。あまり流れがない支流の深い所にピラニアは生息している。釣針に生肉を付けて糸を沈めるだけで、誰でも簡単に釣れる。1時間ほどの間に10匹ほどのピラニアが釣れて、夕食は早速そのピラニアを揚げて食べさせてくれた。
地元の人に触れ合いながら、こうして熱帯アマゾンの自然を満喫することができた。私はこの体験が忘れられず、今後も熱帯の自然を求めて旅を続けたいと思った。