飛行機でカンクンの空港に着陸する直前,眼下には密林地帯が広がる。それはまるで緑の絨毯のようだ。ユカタン半島は起伏がほとんどない平坦な地帯に,熱帯性の樹木が覆い茂っている。
この密林地帯の様相は,ブラジルやコロンビアを旅した際に,アマゾン地方の上空からの景色を私に思い出させる。しかしユカタン半島がアマゾンと異なるのは,周りをサンゴ礁の海に囲まれていることだ。
緑の絨毯のような密林と,澄み切った青い海とのコントラストは,上空から見たユカタン半島ならではの美しい光景だ。
私はユカタン半島を上空から見ると,何だか気持ちが躍動してくるようだ。緑深い密林と青々とした海原に,そこで観察できる多様な動植物が連想される。ユカタン半島への渡航を重ねるごとに自然体験が深まり,私にとっての冒険心がますますみなぎってくる。