その翌朝、首都マナグア郊外の国際空港へ行き、ターミナルから少し離れた倉庫へ行く。しかしそこには誰もおらず、鍵がかかった部屋に大量の荷物が保管されていた。通りがかりの係員に尋ねたみる。
「あそこの担当者はもう出勤する時間なんだがな。そろそろ来るから、木陰で少し待っていてくれ」
倉庫の周囲にはマンゴーの木があり、日差しが強いのでその木陰に座って待つことにした。ボトリ、ボトリとマンゴーが数分おきくらいに落ちてくる。近くにいた軍服姿の若い女性が、落ちているマンゴーを拾って食べている。彼女は陸軍管轄の空港警備員とのこと。休憩時間はよくここに来るそうだ。
「これ食べられるの?」
「少し酸っぱいけれど。あなたも試しに食べてみたら?」
傷の少ない実を選んで、かじりついてみた。市場などで売られているような肉厚のマンゴーに比べると、食べられる部分が少ない。軍人女性と歓談しながら、5つくらいは食べた。
こうして30分ほど待つと、倉庫の管理人がやってきて鍵を開ける。そして無事、荷物を受け取ることができた。
露天市場で売られているマンゴー