2021年06月24日

日曜夜7時からの音楽番組

キューバに渡航して日曜の夜をテレビのある宿泊施設で過ごせば、プントを聴くことができる。毎週日曜の夜7時から『パルマス・イ・カーニャスPalmas y Cañas』という1時間の音楽番組が全国放映される。これはハバナのテレビ局スタジオに地方から音楽奏者を呼び、楽団演奏を中継放送するもの。パルマは椰子、カーニャはサトウキビを意味するように、農村での音楽をイメージしている。つまりこの番組は農民音楽が主体になっているのだ。

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番組編成としては、プントの楽団とソンの楽団が交互に登場して演奏するのが一般的。合間に司会者による説明や奏者との話のやりとりがあり、1時間の番組内で5曲程度が演奏される。よってプントの演奏が2〜3曲ほど聴けるわけだ。このパルマス・イ・カーニャスは革命後の1962年10月に始まり、半世紀以上の歴史を持つ長寿番組である。農作物を栽培する人たちに敬意を払い、かつ農業従事者が誇りを持たせるという意味合いもあるらしい。キューバ人なら誰でも知っている全国放送のテレビ番組だが、やはりどちらかと言うと年配の人に好まれている。


ネットでPalmas y Cañasをキーワードに検索すると、動画サイトに一時間の放送がそのまま見られる回がいくつかアップされている。上記の回は農民音楽を代表するマリア・ビクトリア・ロドリゲスが出演しているが、彼女はここではソンを歌っていて、プントは別の音楽家が歌っている。15:15くらいからプント・リブレ、39:25くらいからプント・フィーホの曲が上演されている。
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2021年06月06日

プントをCDで聴く

キューバのムシカ・カンペシーナ(農民音楽)を代表する歌手マリア・ビクトリア・ロドリゲス。日本国内でも入手できるCDでプントを聴くことができる。

下記のアルバムは、トレス奏者パンチョ・アマートと共演しており、プントをはじめソン系やトローバ系の曲を網羅して歌っている。プントが聴ける数少ないアルバムの一つだ。
http://www.ahora-tyo.com/detail/item.php?iid=17765



ほかにも、下記のアルバムでマリア・ビクトリア・ロドリゲスが歌うプントが聴ける。
http://www.ahora-tyo.com/detail/item.php?iid=15405

posted by sakaguchitoru at 14:49| Comment(0) | キューバ

2021年06月05日

子どもたちに受け継がれるプント

地方都市で市街を歩いていたところ、地元住民向けの無料ライブが音楽会館で行われていた。ソンが中心の演奏だったが、プントも奏でられる。楽団の1つに、中高学生の楽団があった。10代半ばくらいの女の子がラウー(リュート)を弾いていて、やや未熟ながらも人前で聴かせるには充分な演奏ぶりだった。

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写真左のラウーを弾く女の子はなかなかの腕前

別の日、歴史自然博物館から音楽が聴こえてきた。従業員に尋ねると、別の入口から中庭へ案内された。そこで子どもたちが、プント・リブレの練習をしていたのだ。

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未就学児の男の子がプントを詠み歌う

ラウー奏者がメロディーを弾いて、子どもたちを相手にプントを歌わせている。歌詞や譜面などはなく、この子たちはデシマ(十行詩)を暗記して詠み歌っているのだ。5歳くらいから10歳ほどの子供が約5人歌い、その友達や保護者も含めて20人くらいが輪になっていた。この土地柄と音楽からして、集まっている親子たちは白人ばかり。プントは年配の人が親しむ農民音楽だと思っていたが、こうして小さい頃から触れる機会があるので伝承されているのだと体感した。

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サパテオを踊る子どもたち

別の都市で、たまたま文化会館で子どもたちの舞踊上演をやっていた。そこで見た演目の一つがサパテオ。隊形を組んで振り付けをし、プント・フィーホの音楽に合わせて踊っていた。
posted by sakaguchitoru at 17:34| Comment(0) | キューバ